売買予定のプレハブ住宅等がすぐに耐震基準適合証明書を発行できるものかどうかを調査し、可能判定の場合は証明書を発行する業務です。
住宅ローン控除等の住宅取得減税は、中古一戸建て住宅では築20年(RC造や重量鉄骨造は25年)を超えると受けられなくなりますが、これを受けられるようにするための制度が耐震基準適合証明書です。
耐震基準適合証明書が利用できる住宅取得減税には、下記のようなものがあります。
登記の時 | 登録免許税の軽減 | 国税 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
確定申告等の時 | 住宅ローン減税(所得税・住民税) | 国税 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
居住用財産の買換特例(所得税) | 国税 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
住宅取得等資金の贈与税の非課税 | 国税 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
不動産取得申告の時 | 不動産取得税の減額 | 地方税 |
※住宅ローン減税を受けるためには、給与所得者の方においても初年度は年末調整ではなく確定申告の手続きが必要です。
登録免許税というのは、簡単に言うと購入した不動産の所有権等を登記するときに登記所で支払う登記料のことです。
以下のシミュレーターで概ねの減税効果を試算できます。
住宅ローン減税は、住宅の購入時に住宅ローンを利用した場合に受けられる減税措置です。借入残高に応じて所得税の減税が10年間受けられ、減税額の総額は最大で200万円になることもあります。
毎年の減税額は、各種の条件により変わりますので、下記リンクのシミュレーターをご利用ください。
地震保険の建築年割引は、昭和56年(1981年)6月1日より前に新築された建物では受けられませんが、耐震基準適合証明書がある場合には同等の割引を受けられるようになります。
調査の対象となるためには、物件(住戸)の床面積が50平米以上必要です。 住宅ローン減税等の適用要件が床面積50平米以上となっているためですが、これは登記簿上の面積になります。
なお物件が店舗等併用住宅の場合は、床面積(専有部分)の1/2以上が居住用であることが必要になります。
住宅ローン減税等において耐震基準適合証明書が必要となるのは、通常の一戸建て住宅では築20年(RC造や重量鉄骨造は25年)を超えた物件を取得した場合です。ただし注意しなければならないのは、取得日とは何の日で、何の日が築20年を超えたかどうかです。
売買契約の契約日が築20年を超えている場合は、当然ながら必要となります。では、築20年を超えないように駆け込みで築20年になる前に契約した場合はどうなるでしょうか。
契約日が築20年になる前であっても、引き渡し日が築20年を超えれば、耐震基準適合証明書は必要となります。引き渡しがなされて初めて取得したことになるからです。これは見落としがちですので注意してください。
一戸建て住宅の引き渡し日が築20年より前であれば、耐震基準適合証明書がなくとも住宅ローン減税等を受けることが可能になります。ただし、この引き渡し日が契約書に記載されたものと登記簿に取得日として記載されたものとが異なる場合は、登記簿のほうになります。契約書はあくまでも予定日だからです。
なお、契約時点で予定している引き渡し日が、築20年を超える日に近い場合は要注意です。何かの事情で引き渡しが遅れて築20年を超えてしまった場合、住宅ローン減税等を受けるために耐震基準適合証明書が必要になります。このおそれがある場合はあらかじめ準備が必要になりますので、事前のご相談に応じて発行調査業務の対象としています。
新耐震設計基準とは1981年(昭和56年)6月1日以降の建築確認にて採用されている基準です。建築基準法では建築確認を受けた物件は竣功時に行政等による完了検査を受けることとなっています。
新耐震設計基準での完了検査に合格していない物件の場合、耐震基準適合証明書を発行するためには、現行の基準による耐震診断を行ってその結果によっては耐震改修工事をするなどのことが必須となります。費用や時間を大きく要するため、売買の引渡しまでに間に合うケースは珍しくなってしまいます。
完了検査に合格しているかどうかについては、完了検査時に交付された検査済証により確認します。検査済証がない場合でも建築確認台帳記載事項証明書等により確認できる場合がありますので、事前にご相談ください。
住宅ローン控除等の住宅取得減税を受けるためには、物件の引き渡しまでに耐震基準適合証明書のための家屋調査を行っておく必要があります。
すなわち家屋調査時点での物件所有者は売主の方であるため、たとえ売買契約後であっても耐震基準適合証明書の交付申請は売主の方が行うこととなります。
住宅取得減税を受けるのが買主の方であるため、耐震基準適合証明書の発行調査を申し込む人の大多数は買主の方になります。
しかし物件所有者は売主の方であるため、買主の方が発行調査を申し込んだ場合には、それに併せて売主の方にも交付申請をしてもらえるように依頼することが必要になります。
したがって耐震基準適合証明書を取得して住宅ローン減税等を受けるためには、売主の方の協力が不可欠になります。
耐震基準適合証明書の制度上では、物件を売り出す前に家屋調査を行って、住宅ローン減税等に対応していると販売時にアピールできることを想定しています。
これによって買主の方には減税というメリットが生じるとともに、売主の方にも販売促進というメリットが生まれることになり、両者のバランスが取れる訳です。
しかし実際には、家屋調査を行わずに販売活動を始めてしまい、買い手が付いてから初めてその要請で家屋調査をしようとするケースが大半です。
これでは売主の方にとっては何もメリットがなくなり、負担やリスクだけが発生します。つまり想定と実態が乖離する『制度の矛盾』があるのです。
当然ながら売主の方は調査を回避することが多くなり、調査すれば適合証明書が発行できる物件であっても、調査がなされないために証明書が発行されていない物件が多く存在します。
軽量鉄骨造のプレハブや木造の2×4住宅ではこのような物件が多く、外壁塗り替え等のメンテナンスがなされて管理状態が良好な物件であれば、調査をすればすぐに発行できるケースが珍しくありません。
売主の方の負担や不安を減らすように調査を進めることが、耐震基準適合証明書の発行にとって最も重要であるといえます。
耐震基準適合証明書の発行調査の対象は、書類と建物の双方です。書類では建物の建築時の状況を調査し、建物では建物の現在の状況を調査します。
調査対象の書類は、登記事項証明書、設計図面、建築確認済証、検査済証等です。これらのうちで保管されていないものがある場合でも、代わりとなる書類があれば調査できるのでご相談ください。
建物はすべてが調査対象ではなく、柱・梁・外壁等の構造耐力上主要な部分です。構造耐力に関係のない部分については調査対象とはしていません。
現地への出張調査を行うに先だって、メール等で送付可能な書類を用いて事前審査を行います。
一戸建て住宅の事前審査に用いる書類は、登記事項証明書、設計図面、建築確認済証、検査済証等です。保管がない場合はご相談ください。
事前審査の段階では調査料金は発生せず、現地調査の段階から調査料金が発生します。
設計図面の枚数が多かったり、サイズも大きいなどのためにコピーや送付が難しいことがあります。また、どの書類を送付していいのか分からないこともあります。そのようなときは、書類についても現地調査の際に閲覧して調査を行うことが可能です。
建物の現地調査においては、日常利用の範囲内で出来ない下記のような調査は行いません。
・取り壊しを伴うもの
・屋根の上などの立ち入りに危険が伴うもの
天井裏、床下等については、点検口からの目視のみとし、天井裏や床下等に進入しての調査は行いません。
室内や建物周囲に重い家具や大量の荷物などの容易に移動できないものがある場合はご相談ください。
一戸建て住宅の場合、その建築関係書類を保管しているのは個人の所有者です。この所有者が設計図面等の書類をきっちり保管していることはあまり多くありません。どこにあるのか分からなくなっているのが普通といえます。
近年では分譲一戸建てを購入したときの引渡し書類として設計図面や検査済証が含まれているのは当たり前となっていますが、少し以前まではそうではなく、引き渡されていないほうが当たり前になっていました。この場合は、所有者が探しても見つかる訳がありません。
一戸建て住宅の所有者は家の中に存在するのかどうかすら定かでないものを探し続け、いたずらに時間が過ぎていくということが珍しくありません。
またプレハブ住宅等では、建築関係の書類はたくさんあるのだけれど、どれが必要なのかが分からない場合や、設計図面のサイズが大きく、その枚数も多いのでコピーするのに時間がかかるということもあります。そのような場合は送付しての審査ではなく、現地調査にて行うことも可能ですのでご相談ください。
建物の現地調査では、所有者(または仲介者)や居住者の方の立会いが必要になります。複数の関係者の日程調整を行うことになるため、調査の日がなかなか決まらないことがあります。また書類が対象物件の中では保管されていない場合は、現地調査とは別の日に書類調査を行うこともあります。
日程調整は調査を申し込んだ方が行うことになるため、日程に余裕をもたせての申し込みをお願いいたします。
建物の現地調査を行った結果、不具合部分を補修をすれば適合証明書が発行可能になるケースがあります。
この場合は補修後に再度現地調査を行って、補修の出来具合を確認した上で発行することになります。ただし物件の引渡し前であることが必要です。
耐震基準適合証明書のための家屋調査は、売買物件の引渡しまでに終了しなければなりません。調査終了前に物件の引渡しがあった場合は、適合証明書は発行できません。
発行調査の申込みにあたっては、日程調整期間だけでなく補修工事の可能性も見込んで、十分に余裕をもって申し込むことが望ましいです。
調査が終了してから証明書の発行までは通常1週間ほどの時間を頂いております。ただし登記用の適合証明書については先行して発行することも可能ですので、必要な場合は事前にご相談ください。
使用目的 | 可能判定時の料金 (交通費・消費税別) | 不可判定時の料金 (交通費・消費税別) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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登記用のみ | 40,000円 | 7,500円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
確定申告等用のみ | 45,000円 | 7,500円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
登記用+確定申告等用 | 55,000円 | 7,500円 |
耐震基準適合証明書を使用する税制特例措置はいくつかの種類がありますが、すべての特例を受けるとは限りません。
住宅ローン減税のみを受ける場合や登録免許税の減税のみを受ける場合もあり、この場合は発行に要する料金も低額にした料金設定にしています。
相続税非課税と住宅ローン減税のように同じ税務署にて使用する場合には、発行枚数にかかわらず同一の料金としています。
不可判定時は証明書発行を行わないため発行手数料が発生しません。さらにこれとは別の理由により、その費用以上の減額設定としています。
調査において売主の方の協力が不可欠なのですが、前述しましたようにこれには制度上の矛盾があるために売主の方に様々な負担が生じます。
特に調査結果が不可判定であった場合は、調査に伴う負担が心理的に大きなものとなってしまいます。
このため、調査を申し込まれました買主の方におかれましては、売主の方の労にねぎらいをかけていただければ幸いと考えており、その支援を兼ねまして不可判定時に特に減額した料金設定としております。
調査を途中でキャンセルした場合でも、売主の方の協力は同様に必要になります。したがってキャンセル時においても、不可判定時と同様の扱いとしています。
調査の結果が可能判定となった場合でも、必ずしも証明書が必要になるとは限りません。たとえば未契約の物件の場合は、買主の方にとっては契約するまで発行を保留するほうが望ましくなります。
このような状況に対応できるように、一部払いのみを行えば発行保留ができるようにしています。一部払いの金額は不可判定時の料金と同額です。
調査は、事前審査と現地調査の2段階となっていますが、料金が発生するのは現地調査に出発してからです。
事前審査段階では料金が発生しないため、この段階でのキャンセルにも料金は発生しません。