同じマンションなら当日に取得できる?(2)

同一マンションの別住戸での耐震基準適合証明



(1)同じマンションの過去の結果はあくまでも参考    

(2)家屋調査日欄の記入というハードル         

(3)申請者欄の記入というハードル           


家屋調査日欄の記入というハードル

中古マンションにおいて、既に適合証明された別の住戸の調査結果をそのまま用いて購入予定の住戸の適合証明書が果たして発行できるのか。仮に前者の住戸を101号、後者の住戸を202号として試してみましょう。

耐震基準適合証明書の様式では、家屋番号の記入欄があります。これは登記簿の家屋番号になるので、202号の証明書では202号の家屋番号を記入します。同じマンションであっても、住戸が違えば適合証明書も違うものになります。

また証明書の様式には、家屋調査日の記入欄があります。ここが問題で、101号の証明の際に調査した日付を記入してもいいのかどうかという問題です。もし家屋調査というのが、202号の属する“マンション”の調査ということであれば、101号の属する“マンション”の調査と同じと言ってよいので101号の調査日を記入可能となるでしょう。

これを左右するのが、平成21年国土交通省告示第685号に書かれた次の規定です。「定める期間内に当該証明のための家屋の調査が終了したもの」とあり、202号という家屋の証明のための調査が終了した日付を記入せねばなりません。しかし、101号という家屋の証明のための調査しか行っていないので、調査日の記入ができなくなります。つまり家屋とは“住戸”のことであり、同じマンションでも目的となる家屋が違うので、そのままでは使えないのです。

この問題を乗り越えるためには、101号の調査により得られたマンションの耐震診断の結果を202号の証明に使ってもよいかという確認をするための調査を行えばよいことになります。101号と202号は同じマンションなので共通している部分はあるのですが、別の住戸なので共通していない部分もあります。共通していない部分の調査をしなければ最終的な判断ができないということです。

共通していない部分というのは各住戸の中の空間で、専有部分と呼ばれます。共通している部分は共用部分と呼ばれ、骨格となる柱や梁、戸境壁などが該当します。耐震診断は一般に共用部分の調査のみで行われます。このため、専有部分は無関係であり調査は不要と考えがちになります。しかし耐震基準適合証明書の家屋調査は、耐震診断とイコールではありません。

202号の調査を終了するためには、202号の専有部分を実地調査する必要があります。例えば、もし202号が元々は2戸の住戸であったもので、耐力壁の戸境壁を取り壊して二戸一に改造していたのであれば、101号の耐震診断結果はそのままでは使えません。あるいは防音のためにコンクリートの間仕切壁を専有部分に増設して過大な荷重となっていたりしても101号の結果が活用できなくなります。

このように、建築士が202号の専有部分の調査を行って初めて技術的判断の材料が揃うことになり、202号の家屋調査が終了できることになります。もし専有部分の調査によって、101号の調査結果を202号でも適用してもよいという確認が出来たならば、無事に202号の耐震基準適合証明書の家屋調査日を記入することが出来る訳です。

さて、こうして家屋調査日を記入できたとしても、まだ適合証明書は完成しません。もう一つのハードルがあります。

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